米沢古文書研究会の出版物
研究会では「御成座敷邯鄲枕(かんたんまくら)を読む」(在庫僅少),「飯粮(はんろう)集を読む」,「翹楚篇(ぎょうそへん)を読む」,「飯豊の山ふみ(復刻)」を出版してます。
注文は,0238-21-2322高橋まで。
内容は,ここに掲載(pdf)してあります。
2023年6月例会
6月17日(土)午後1時30分からⅠ部例会。
6月24日(土)午後1時30分からⅡ部例会 いずれも文化センターです。 高橋家文書、式目の教材を配布しています。 例会の内容は一番下にあります。 2023年5月27日Ⅱ部例会の報告
◇式目の講義◇ 上杉重定の初入部にあたり発した命令を読む。江戸にいる新藩主が米沢に来る(入部あるいは初入部)際に、毎回出しているもので、以前の宗房、宗憲の入部の時に 出されたものとほとんど同じである。「頼母敷道」は、以前の講義では「頼母子講」と解釈したが、文脈からは「たのもしい(たのしみなさま)」と、楽しみで参会 する際の酒食酔飽に関するものと読んだ方がよいこと、家督相続の「名跡」は、名跡相続(断絶した家を再興する)と解釈すること、僧中法度の「作膳」は「作善(仏事供養を営むこと」、 「後中」は「後住(後任の住職)」、「人主」は「ひとぬし」で一種の保証人のこと、などを勉強した。 これで、式目巻の10の配布教材が終わり、次の新規の式目教材に移る。 ◇国政談◇ 講師から先触と役銭についての資料配付がありこの説明があった。国政談は「四境御しまり」の部分を読む。交易を盛んにするために、できるだけ往来に不便をかけず 気持ちよく米沢に来られるようにしたいという竹俣の気持ちが表れている。「四境口留番は、小給の御扶持人が勤め、忠信もこころのごとく成らざることもある」という 竹俣の観察は、貰うものにより忠信の具合も変わる封建制のご恩と奉公の現れなのか、興味深いところだ。 各自治体の新型コロナウイルスの情報
山形県
米沢市
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高畠町
飯豊町 白鷹町 山形市 山形・非公式コロナ情報 厚労省 経産省コロナ支援対策 鷹山のエピソード(刺し子のこと)
刺し子は、着色生地に白糸で幾何学模様の刺繍を行う技法で、各地に伝統工芸として残っている。
この「刺し子」について書かれた古文書に最近遭遇した。
寛政3年に隠居していた莅戸善政が中老として復帰し、鷹山の寛3の改革が始まるが、その寛政3年に改革内容をまとめた古文書が上杉文書にある(No716)。
その内容の中心は米沢藩組織のリストラであるが、年貢徴収にあえぐ百姓に対する恩恵として、それまで百姓はねずみ色と浅黄色の着物しか使用できなかったが、
このたび紺色も可能にすること、また、つづれ(ぼろの生地)に白糸で刺し子する場合はどんな色のつづれでも利用可能であるとしたことが記載されていた。
刺し子というと藍染めの紺色地に白糸で刺繍するものを思い浮かべるが、この文書の記載からすると寛政3年以前は、百姓は紺色を利用できなかったようである。
また、どんな色のつづれでも利用可能というので、様々な色を組み合わせたパッチワークの刺し子も作られていたことも想像される。つづれは関西から相当量輸入していた。
現在、米沢では「原方刺し子」という名称で、下級武士の原方衆の妻が刺し子刺繍を行っていた伝統があると言われているが、残念ながら、まだ原方の武士の家庭で
刺し子を行っていたという古文書に遭遇したことはない。
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2023年古文書入門講座・「平家物語を読む」(研究会主催)
2023年入門講座を行います。教材は「平家物語」です。 米沢図書館所蔵の米沢本「平家物語」は室町時代の作と言われています。 「祇園精舎の鐘の声」で始まる平家物語をくずし字で読みます。 日時:2023年7月1日(土)、7月8日(土)午後1時30分~4時 場所:置賜総合文化センター 教材費500円(予定)、申込みは21-2322高橋まで 古文書研究会総会を実施
日時 2023年4月15日(土)午後1時30分から 議案書どおりに承認されました。 議案は、次に掲載されています。 総会議案書など 終了後の勉強は、莅戸善政「好古堂随筆こふなもの」の一部をよみました。 米沢善本の一つで、米沢図書館デジタルライブラリーに全文が掲載されています。 読んだ部分は、地獄極楽が存在するかどうかについて、莅戸が面白い譬喩を用いてこの世界のありかたを論じている箇所です。 内容は次にあります。 莅戸善政「こふなもの」を読む(2023年総会時勉強) 2023年4月総会の様子。執行部ですが、うなだれているのかな??
「翹楚篇を読む」出版しました
上杉鷹山の姿を側近の莅戸善政が記録した「翹楚篇(ぎょうそへん
)」の解読書を出版しました。
古文書研究会双書の3冊目になります。 翹楚篇は,莅戸善政が藩政改革に復帰する前の寛政元年ころに 書かれた鷹山の言行録で,鷹山の子の顕孝に献呈されました。 江戸参勤のおりに家臣から花見に誘われても下戸のため行くのを嫌がる様子とか, 鷹山の人となりを知ることができる56のエピソードが記載されています。 今回の双書は,原文(米沢図書館所蔵)の翹楚篇写しとその解読に加えて,現代語訳もあり,古文書を 読めない方でも内容を詳しく知ることができます。 2000円です。購入は高橋0238-21-2322まで。 その他の古文書研究会の出版物は,ここに掲載してあります。 「飯粮集(はんろうしゅう)」を読む
「飯粮集(はんろうしゅう)」は,天明3年,米沢藩で編纂した救荒書だ。天三の飢饉と言われる天明3年の大飢饉に直面し,藩医を動員して食べられる野草などの解説書を作成した。
当時の藩主は上杉鷹山,鷹山は2年後の天明5年に隠居する。
「飯粮集」の20年後に,米沢藩では版木出版で「かてもの」を出している。「飯粮(はんろう)」も「かてもの」も同じ意味だ。
この「飯粮集」は写本しか存在せず,必ずしも読みやすい筆跡ではないが,変体仮名が多く使用されているので古文書の勉強になる。 「『飯粮集』を読む」は,右ページに解読,左ページに原文を配置し,古文書の初心者の勉強に配慮した編集だ。 直接に飢饉による被害を記述した部分は少ないが,山菜の利用法は「ゆでさわし」が多く,天ぷらも塩漬けも困難な江戸時代の状況がしのばれる。 1冊1000円,書店での販売はなく,21-2322高橋まで。 |